食効ってなんだろう

yakuzen

体のために本当に良い食べ物は、決して豪華なものではありません。

自分の住んでいる土地の周囲で採れるもの、あるいはずっと採り続けられてきた名産といわれる食物で、しかも旬のものが良いと言われます。

地球上にはたくさんの国があり、それぞれの条件があって、その下に長い間人々は暮らしてきました。ですから食べ物もいろいろです。

人間と獣の違いは、煮炊きして食べるすべを得ているかどうかだと中国人は言いますが、北極圏という厳しい環境の中に生きるエスキモーの人たちは、狩った獲物を生のまま洗いもせずにほうばります。

しかしそれは氷原に生活する彼らが、ビタミン類をとる唯一の方法なのです。

最近よく言われるカルシウム不足も、実は伝統の食物を無視したことから起こってきています。火山国の日本は土の中にカルシウム分か足りない。だからカルシウム不足になるのだといわれますが、昔の人の骨は、今の子どもたちのように簡単に折れたりはしませんでした。

昔の人の食事については、現代栄養学が発して調査分析が行われる過程で発見され、見直されるようになってきたものです。しかし栄養学はまだ浅い歴史しかなく、学者によって主張することもまちまちです。数千年の経験から割りだされた食効の重みにはまだ及びません。

食効というのは、日常食べている食品にも、生薬に薬能、薬性、薬味があるのと同様に、食能、食性、食味があるとし、その効能を五行に従って五つに分類したものです。

それによりますと食物の味は、酸、苦、甘、辛、鹹の五味にわけられます。酸はすっぱい味で強壮作用があり、肝、胆、眼に良いとされ、苦味は消炎と堅固の作用があって、心臓に良い。また甘は、玉ネギや力ボチャのもつ自然の甘味のことですが、これは栄養、強壮作用があり、脾や胃に良いとされます。辛はトウガラシのようにピリピリと辛いもので、発散作用があり肺や鼻、大腸に良く、塩辛いという意味の鹹は腎、膀胱、耳、骨に良いとされます。

また薬性も涼寒平熱温と五つにわけられます。「涼」は鎮静、消炎の作用があり、のぼせ症の人がこれを食するのに良く、さらに冷やす「寒」は血圧の高い人に良い。反対に体を温める「温」の作用をする食べ物は冷え性の人に良く、「熱」はさらに強烈に体を温めるが、寒でも熱でもない食物も存在し「平」と呼ばれる食物もあります。

こうした食効はまだ科学的に解明されたわけではありません。しかし人間は食べることで生命を保っていることに関心が向けられている以上、近い将来、食べ物や、食べ物でもあり生薬でもある野菜類の食効が証明されていくことと思われます。

核家族化が進んで、古人の智慧が継承されにくくなった今、数千年の歴史を持つ人類の財産を上手に生かすことを先に考えていきたいものです。

Comments are closed, but trackbacks and pingbacks are open.